業務日誌 ~ 思い出のレポート2008-12-24 14:22

今でも強烈に記憶に残っているレポートがあります。
私が一般教養課程の時に履修した政治学のレポートで、このような内容でした。


【教科書を、A4レポート用紙2枚に要約せよ】
【期間は、2週間】


教科書は、約、400ページで、全部で20章ほどでした。


「たった2枚か」、という声も挙がりました。当時、「レポートは20枚以上」という
ボリューム・ノルマ制のレポートも多かったためです。
しかし、その声を聞いた先生はニヤリと笑って、こんなことをおっしゃいました。


・ダラダラと長く書くのは簡単。短くまとめる方が難しい。
・400ページ20章をレポート用紙2枚にまとめるには1章あたり5行も使えない。
・つまり、本のフレーズを写していては、すぐに紙面が足りなくなる。
・内容を本当に理解して、自分の言葉で要約しないとムリであろう。


先生の言葉を一同が理解したとき、教室は何ともいえない沈黙に包まれました。


レポートを仕上げるまでの2週間は、本当に苦悩の毎日でした。
どうしても、紙面が足りないのです。
頭の中で消化して、語彙を総動員してまとめないと、すぐに(どんなに小さい文字で
書いても)枚数オーバーをしてしまいます。
何回も何回も読み直して、本と「格闘」する毎日でした。


一冊の本を、ここまで真剣に読むことは、初めての経験でした。
苦労の甲斐あり、そのレポートでAをいただいたときは、とても嬉しく思いました。


専門に進んでからも、面白い講義はたくさん受けましたが、振り返ってみると
この政治学のレポートが一番思い出深いのです。
「自分の言葉で短くまとめる」という言葉は、現在 仕事をしてる上でもしばし 思い出します。




たったひとつのレポートといえども、色々なことを学び、影響を受けます。
大学とは面白い場所だなぁと思うのでした。


(morita)

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