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世界最大級の193社が出展するゲームの展示会「東京ゲームショウ2011」が15日、千葉市の幕張メッセで開幕した(一般公開は17、18日)。会員制交流サイト(SNS)を通じて遊ぶ「ソーシャルゲーム」を展開するSNS大手グリーが初めて出展するなど、スマートフォン(多機能携帯電話)の急速な普及を背景にソーシャルゲームの存在感が際立ち、専用機向けのソフトが主役だったゲーム市場は大きく変わりつつある。【竹地広憲】

 「端末の普及でゲームビジネスが何倍も伸びるチャンス。10億人に使われるサービスを目指す」。15日のゲームショウの基調講演でグリーの田中良和社長はソーシャルゲームの将来性を力説した。

 ソーシャルゲームは高価なゲーム専用機を買わなくてもスマートフォンなどで無料で気軽に始められるのが特徴。市場規模が拡大しており、グリーの11年4~6月期の売上高は前年同期比約2倍の210億円と急増した。ゲームショウではソニーとほぼ同規模の大型展示場を構え、自社開発やゲームソフト大手のソフトがずらりと並んだ。

 大手ソフトメーカーもソーシャルゲームに注力している。バンダイナムコゲームスは15日、ゲームショウの会場で、SNS大手のDeNA(ディー・エヌ・エー)と10月1日に共同出資会社を設立すると発表した。スマートフォン向けに「たまごっち」や「ガンダム」などのキャラクターが登場するソーシャルゲームを開発する。

 スクウェア・エニックスやカプコンも3月以降、ソーシャルゲームを中心に開発する新会社を相次いで設立した。ソフトメーカー担当者は「ソーシャルゲームで気軽に遊んでもらい、より収益性が高い家庭用ゲームのソフト購入にもつなげたい」と狙いを語る。

 新興勢力の台頭について、ゲーム専用機大手は「ビジネスの好不調と因果関係はない」(任天堂)、「競合せず、一緒に市場を拡大できる」(ソニー)と表向きは冷静に受け止める。だが、任天堂の「ニンテンドー3DS」が振るわないなど劣勢の中、ソニーがゲームショウで公開し、12月に発売する新型機「プレイステーション・ヴィータ」はインターネットを通じて利用者同士が交流できる機能を強化。ソーシャルゲームを意識したタイプで対抗する構えだ。